認知症の高齢者への薬の処方について、新しい研究結果が発表されました。一部の薬が、混乱や転倒など、高齢者の健康を損なうリスクを高める可能性があると示されています。私たちはこのニュースを正しく理解し、今後の生活に活かすことが大切です。
📍 10秒でわかるニュースの要点
- 認知症の高齢者に、転倒や混乱につながる可能性のある薬が処方されています。
- これらの薬の多くは、明確な処方理由がないまま使われていることがわかりました。
- 不必要な薬の処方を減らすことは、高齢者のケアの質を高めることにつながります。
情報ソース: 元記事を読む
ニュースの内容をわかりやすく解説
アメリカ国立衛生研究所(NIH)が支援した研究結果が発表されました。この研究は、医学誌JAMAに2026年1月12日付で掲載されています。研究チームは、65歳以上の高齢者約4,800人を対象に薬の処方状況を調べました。
研究によると、認知症のある高齢者の約25%が「潜在的に不適切な薬」を処方されていました。これは、認知機能が正常な高齢者(約17%)に比べて高い割合です。潜在的に不適切な薬とは、高齢者に副作用のリスクが高いとされる薬のことです。
これらの薬には、一部の抗うつ薬や抗精神病薬、バルビツール酸系、ベンゾジアゼピン系、非ベンゾジアゼピン系の睡眠薬などが含まれます。これらは、脳や神経系に影響を与え、混乱や転倒、そして入院のリスクを高めることが指摘されています。特にベンゾジアゼピン系の薬や睡眠薬が多く処方されていました。
さらに驚くべきことに、これらの薬の処方のうち、3分の2以上は明確な臨床上の理由が記録されていませんでした。専門家向けの指針(ガイドライン)では、高齢者への使用を避けるべきとされている薬もありますが、実際にはまだ処方が続いている現状が浮き彫りになりました。
2013年から2021年の間に、全体としてリスクのある薬の処方は減っています。しかし、認知症の高齢者では依然として高い水準で処方されていることがこの研究で示されました。薬を複数同時に使用する「多剤併用」も、副作用のリスクを高める要因とされています。
私たちの将来や生活への影響
この研究は、認知症の高齢者が安全な医療を受ける上で重要な課題を提起しています。不適切な薬の使用は、単に体調を崩すだけでなく、認知症の症状を悪化させる可能性もあります。また、転倒による骨折などで入院することになれば、生活の質が大きく低下してしまいます。
医療現場では、医師が薬を処方する際に、より慎重な判断が求められます。特に認知症の患者さんには、副作用のリスクが高い薬を避けることや、本当に必要なのかを再検討することが重要です。薬以外の治療法や、薬の量を減らすこと(減薬)も選択肢として考える必要があります。
私たち一人ひとりの将来や日々の生活においては、次の点に気をつけましょう。ご自身やご家族が認知症と診断された場合は、現在服用している薬について医師や薬剤師に相談することが大切です。処方されている薬が本当に必要か、副作用のリスクはないかなど、疑問に思うことは遠慮なく尋ねてみてください。また、薬だけに頼らず、規則正しい生活、バランスの取れた食事、適度な運動、社会との積極的な交流など、認知症予防に良いとされる生活習慣を続けることが、私たちの脳の健康を守る上で最も確実な備えとなります。



