私たちの身の回りにあふれるプラスチックの小さなかけら、「マイクロプラスチック」が、なんと人間の脳にまで入り込んでいることが最新の研究で明らかになりました。特に認知症の患者さんではその量が非常に多いとされています。

📍 10秒でわかるニュースの要点

  • 人の脳にマイクロプラスチックが蓄積していることが分かりました。
  • 認知症の患者さんの脳では、特にその濃度が高い傾向にあります。
  • 脳内のマイクロプラスチックは、年々増えていると考えられています。

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ニュースの内容をわかりやすく解説

最近発表された研究で、私たちの体に非常に小さなプラスチックの粒が見つかっています。これを「マイクロプラスチック」と呼びます。大きさは5ミリメートル以下で、肉眼では見えないほど小さいものもあります。さらに小さいものは「ナノプラスチック」と呼ばれます。

これらの微細なプラスチックは、私たちが毎日吸い込む空気や、飲む水、食べる食べ物を通して体の中に入ってきます。 研究では、亡くなった方の脳の組織を詳しく調べました。すると、調べたすべての脳からマイクロプラスチックが見つかったのです。

驚くべきことに、脳の中のマイクロプラスチックの量は、肝臓や腎臓といった他の臓器よりもはるかに多いことが分かりました。 また、2016年のサンプルと2024年のサンプルを比べると、脳内のマイクロプラスチックの量が約50%も増えていました。 これは、環境中のプラスチックが増えていることと関係があると考えられています。

さらに、認知症と診断されていた方の脳では、そうでない方の脳と比べて、マイクロプラスチックが3倍から10倍も多く見つかりました。 見つかったプラスチックの多くは、買い物袋や食品の容器に使われる「ポリエチレン」という種類です。 その形は、きれいな丸ではなく、ギザギザしたかけらのようなものが多かったと報告されています。

これらの小さなプラスチックが、どのようにして脳に入り込むのかも研究されています。一つは、脳を守る「血液脳関門」というバリアを通り抜ける可能性です。 また、鼻から吸い込んだプラスチックが、直接脳の一部に到達する経路も考えられています。

ただし、この研究は、マイクロプラスチックが直接認知症を引き起こす、ということを証明したものではありません。 認知症によって脳がダメージを受けていると、かえってプラスチックがたまりやすくなる可能性も指摘されています。 今後、マイクロプラスチックと脳の健康について、さらに詳しい研究が必要とされています。

私たちの将来や生活への影響

今回の研究結果は、世界中で進むプラスチック汚染が、私たちの体の奥深くにまで影響を及ぼしている可能性を示しています。脳という、私たちの思考や記憶をつかさどる大切な場所に異物が蓄積することは、大きな懸念材料です。 長い目で見て、これらのプラスチックが私たちの健康にどのような影響を与えるのか、例えば、脳の細胞に炎症を起こしたり、機能に変化をもたらしたりする可能性がないか、今後さらなる研究が求められます。

現在、マイクロプラスチックが認知症を直接引き起こすかどうかは不明です。しかし、動物実験では、神経細胞への影響や、記憶力の変化が示された例もあります。 私たちの脳の健康を保つためにも、この問題は引き続き注目していく必要があるでしょう。

このニュースを受けて、私たち一人ひとりができることもあります。まず、日常生活の中で使い捨てプラスチックをできるだけ減らすことを心がけましょう。 例えば、マイボトルやマイバッグを使うといった小さな行動が大切です。ペットボトル入りの水よりも水道水を選ぶことも、マイクロプラスチックの摂取を減らす一つの方法かもしれません。 また、こまめに部屋を換気したり掃除をしたりして、空気中のマイクロプラスチックを減らす工夫も有効です。 プラスチック問題は地球規模の課題ですが、まずは身近なところから意識を変え、行動していくことが、私たちの未来の健康を守ることにつながります。