認知症は、多くのシニア層にとって大きな関心事です。最新の研究で、特定の種類の脳トレーニングが認知症のリスクを減らす可能性が示されました。これは、私たちの日々の生活に希望をもたらす重要な発見です。このニュースについて詳しく見ていきましょう。

📍 10秒でわかるニュースの要点

  • 特定の「情報処理速度を鍛える脳トレ」が認知症リスクを25%減らすと判明しました。
  • この効果は、初回の訓練に加えて「追加のセッション」を受けた場合にのみ見られました。
  • 記憶力や推論力を鍛える脳トレでは、長期的な認知症リスクの減少は確認されませんでした。

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ニュースの内容をわかりやすく解説

このたび発表された研究は、「ACTIVE試験」と呼ばれる大規模な調査に基づいています。アメリカで約3,000人の65歳以上の高齢者が、約20年間にわたって追跡調査されました。参加者はいくつかのグループに分けられ、それぞれ異なる種類の脳トレーニングを受けました。

主要な発見は、「情報処理速度を鍛えるトレーニング」を受けたグループにありました。このトレーニングでは、コンピューターを使った課題を通じて、画面上の情報を素早く見つけ出し、識別する能力を高めます。具体的には、視覚的な注意力を高め、反応時間を速めることを目的としています。このトレーニングを体験した人々は、何もしなかったグループと比べて、認知症と診断されるリスクが25%低かったのです。

この効果を得るためには、「ブースターセッション」と呼ばれる追加のトレーニングが非常に重要でした。最初の約5〜6週間のトレーニングの後、11ヶ月後と35ヶ月後に数回の追加セッションを受けた場合に、認知症リスクの減少が統計的に意味のある形で確認されました。これらの追加セッションなしでは、長期的な効果はほとんど見られませんでした。

一方、記憶力を鍛えるトレーニングや、推論力(物事を論理的に考える力)を鍛えるトレーニングでは、今回の研究において長期的な認知症発症リスクの明確な減少は認められませんでした。研究者たちは、情報処理速度のトレーニングが「無意識の学習」(自動的に身につくスキル)に働きかけるため、加齢による衰えに強い可能性があると考えています。これに対し、記憶や推論は「意識的な学習」(事実や論理を扱うスキル)に焦点を当てるため、効果が異なると推測されています。

私たちの将来や生活への影響

今回の研究結果は、認知症予防に対する新しい視点をもたらします。特定の脳トレーニングが、私たちの脳の健康を長く保つ助けになる可能性があると示されたからです。これは、薬に頼らない予防策として、大きな希望となります。特に、短期間のトレーニングと追加のセッションで長期的な効果が期待できる点は注目に値します。

この「情報処理速度を鍛える脳トレ」は、視覚情報を素早く正確に処理する能力を高めます。これは、日常生活における素早い判断や、複数の情報を同時に扱う能力にもつながるでしょう。例えば、車の運転中の危険察知や、買い物の際に商品を素早く見つけることなど、多くの場面で役立つ可能性があります。

しかし、この研究結果はあくまで特定の種類のトレーニングに焦点を当てています。すべての脳トレーニングが同じ効果を持つわけではないことに注意が必要です。また、脳トレーニングは認知症予防の一つの要素であり、バランスの取れた食事、定期的な運動、社会的な交流なども脳の健康には欠かせません。

私たちシニア層が健康寿命を延ばし、より豊かな生活を送るために、この新しい科学的知見を生活に取り入れることを考えてみましょう。もし興味があれば、このようなタイプの脳トレーニングを提供しているプログラムを探してみるのも良いかもしれません。ただし、過度な期待はせず、専門家と相談しながら、自身の健康状態に合わせた方法を選ぶことが大切です。脳の健康を保つための選択肢が広がることは、私たちにとって明るい未来につながるはずです。