フロリダ州で、認知症を患う高齢の男性が行方不明になったというニュースがありました。2ヶ月以上経った今も、捜索が続いています。このような「徘徊(はいかい)」は、私たち日本のシニア世代にとっても、他人事ではありません。このニュースをきっかけに、認知症と徘徊について深く考えてみましょう。
📍 10秒でわかるニュースの要点
- フロリダ州ラーゴで87歳の認知症男性が2ヶ月以上行方不明になっています。
- 男性はパジャマ姿で家を出て、携帯や身分証明書を持っていませんでした。
- 警察や家族、地域のボランティアが今も捜索を続けています。
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ニュースの内容をわかりやすく解説
このニュースは、87歳のペトロ・ククォさんが2025年12月12日にフロリダ州ラーゴの自宅アパートを出て、それ以来行方がわからないというものです。彼はパジャマ姿で外出し、携帯電話や財布、身分証明書を持っていませんでした。玄関の防犯カメラに姿が記録されていましたが、その後は見つかっていません。ククォさんはギリシャからの移民で、英語を話すことができません。警察は捜索犬やドローン、ヘリコプターなども投入し、大規模な捜索を行いました。しかし、今も発見には至っていません。
このような、認知症の方があてもなく歩き回る行動を「徘徊(はいかい)」と呼びます。多くの場合、ご本人には何らかの理由や目的があると考えられています。例えば、「家に帰りたい」という気持ちや、昔の習慣(仕事に行くなど)がよみがえることで外に出ようとすることがあります。
徘徊の原因は一つではありません。記憶障害(もの忘れ)により、どこにいるかわからなくなる「見当識障害(けんとうしきしょうがい)」や、不安な気持ちなどが複雑に絡み合って起こります。また、過去の習慣を繰り返したり、何かを探そうとしたりすることもあります。
徘徊には多くの危険が伴います。道に迷って自宅に帰れなくなったり、転倒や交通事故に遭ったりするリスクがあります。特に、寒い時期や夜間は、体調を崩す可能性も高まります。日本では、2023年に認知症やその疑いがある状態で行方不明になった人が1万9千人を超えました。その多くは3日以内に見つかりますが、残念ながら約3%が命を落としています。死亡が確認された方の多くは、行方不明になった場所から5キロメートル以内の、川や用水路、山林などで発見されています。
私たちの将来や生活への影響
認知症による徘徊は、ご本人にとって危険なだけでなく、ご家族にも大きな精神的、身体的な負担をもたらします。「いつ、どこに行ってしまうかわからない」という不安は、介護する方々の大きなストレスにつながります。地域社会全体で見守りや捜索活動が必要となることも少なくありません。
このような状況に備えるために、私たちにできることはいくつかあります。まず、認知症の症状が始まったら、早めに医療機関を受診し、適切な診断と治療を受けることが大切です。これにより、症状の進行を遅らせたり、行動を安定させたりできる可能性があります。
ご家庭では、玄関にセンサーを設置して外出を知らせる、ドアに目立つシールを貼って注意を引くなど、工夫で事故のリスクを減らせます。また、ご本人の服や持ち物に連絡先を書いた名札をつけることも有効です。さらに、GPS(位置情報システム)を使った見守りサービスは、いざという時に居場所を早く特定するのに役立ちます。専用の靴に組み込まれたものや、持ち運びしやすい小型端末など、さまざまな種類があり、介護保険が適用される場合もあります。
地域との連携も非常に重要です。近所の人や民生委員、地域の交番などに、ご本人の状況を伝えておくことで、いざという時の助けにつながります。「地域包括支援センター」のような公的な相談窓口も積極的に活用し、専門家のアドバイスや支援を受けることが大切です。
日頃から適度な運動やバランスの取れた食事、規則正しい生活リズムを心がけることも、認知機能の維持に役立つと言われています。もし、大切な方が認知症になったとしても、一人で抱え込まず、社会のサポートを上手に活用しながら、ご本人もご家族も安心して生活できる環境を整えていきましょう。



